おりがみの歴史
日本の折り紙はいつごろから作られるようになったのか?
明確な史実は分からないそうですが、紙を作る製紙技術そのものは6世紀頃に日本に伝来したとされています。
以降、紙を漉く(作る)文化が日本各地にも拡がり、平安時代後期あたりから大量の和紙が生産されるようになったようです。
そうした中で、平安〜鎌倉時代の公家武家社会の上流階級の間で、冠婚葬祭などの儀礼的、礼法的場面において大事な手紙を折り畳んだり、物を包むような文化習慣が生まれたようです。 現代の折り紙の形になり始めたのは、江戸時代の元禄(1700年)の頃から。華やかな文化が円熟期を迎え、製紙技術の向上とともに庶民の間にも色付きの和紙折り紙での、折り鶴や舟などの現在に通じる伝承折り紙の原型が作られるようになりました。
明治時代以降近代〜現代では、大量生産の可能な洋紙(上質紙)が出現し、片面に色が塗られた正方形の洋紙が折り紙となって学校の教材にも利用され、急速に全国的に普及していったのです。
おりがみの日
11月11日はおりがみの日とされています。その日が世界平和記念日であることと、1を4つ組み合わせるとおりがみの形・正方形になることから1980年に日本折紙協会が制定しました。
「おりがみ付き」の起源
『おりがみ付き』という言葉を聞いたとき、たいていの人は正統なもの、正しきもの、確かなもの、といった意味の言葉として理解されると思います。
かつて、折り紙とは紙を半分に折ったものをいい、官公文書はすべて半分に折った紙を使用し、進物の目録、鑑定書にも折り紙が使用されるのが正式のルールであったことに由来されるといわれています。
世界に羽ばたく「千羽鶴」
日本を象徴する鳥といえば『鶴』ですね。古来より『鶴』は長命長寿の象徴として崇められ伝承折り紙の『折り鶴』も日本の折り紙文化を代表する特別な存在(シンボル)として伝わってきました。
現代の『千羽鶴』は平和や希望、鎮魂や絆、幸運や純愛などの言葉の象徴として世界中の人々にそのイメージが浸透してきています。また、日本が発信するクールジャパンの伝統的な文化のひとつとして『ORIGAMI』が万国共通語となって、大きく世界へ大きく羽ばたいています。
おりがみへの想い
2011年3月11日に発生した『東日本大震災』は、未来にわたり記憶に刻まれる大災害となりました。
震災直後より「被災地の人々を元気づけたい」との想いが込められた、何十万羽という『千羽鶴』が世界各地から被災地に届けられたました。心からの鎮魂と復興を願うこの『千羽鶴』に、どれだけ多くの人々が癒され励まされ、勇気づけられたことでしょうか。
祈りや願いを込めて『千羽鶴』を折る人の姿には心の美しさや優しさ、ひたむきさなどがそれぞれに重なり、国の垣根を越えて、多くの人々に共感や一体感を生み出す不思議な力があるのかもしれません。
この想いや力を感じながら、これからも折り紙&ORIGAMIを創り続けることが、リーディングカンパニーとしてのトーヨーの役割&使命であると考えています。